この記事では、ファクタリングで第三債務者から債権回収したのにファクタリング会社へ支払わなかったとき、どのような方法で「取り立て」をされるのか解説します。
ファクタリングを利用したら、当然回収した債権は期日までにファクタリング会社へ支払わねばなりません。それにもかかわらず支払いを拒否したり遅延したりすると、さまざまな方法で取り立てられてしまいます。
取り立て方法はファクタリング業者によって異なるので、業者選定の際には違法、威圧的、過剰な取り立てを行う業者を避けるのが無難です。
- ファクタリングには貸金業法の取り立て規制が及ばない
- 一般的なファクタリング会社の取り立て方法は、任意の支払い請求や支払督促、裁判や差し押さえなど
- 弁護士を使われると弁護士費用が加算されて高額な請求が来る可能性がある
- 一部のファクタリング会社を利用すると激しいは取り立てが行われるリスクがある
ファクタリングの取り立てには「貸金業法」の規制が及ばない
支払いを滞納したときのファクタリング会社からの取り立て方法は、必ずしも「金融業者」と同じではありません。
消費者金融やカード会社、ローン会社などの「貸金業者」には「貸金業法」による規制が及びますが、ファクタリング会社には貸金業法が適用されないからです。
貸金業法の取り立て規制とは
貸金業法は、消費者金融やカード会社など金融会社(貸金業者)の営業方法を規制する法律です。貸金業法により、貸金業務を行う会社は「貸金業」の登録をしなければなりません。無登録の貸金業営業は犯罪行為です。
また貸金業者の場合、債務者が支払いを遅延したときの取り立て方法も制限されます(貸金業法21条1項各号)。以下のような取り立て方法をしてはならず、違反すると業務停止などのペナルティが課されます。
- 正当な理由なく深夜や早朝の時間帯に督促する
- 債務者が「支払う」と言っているのに自宅を訪問したりしつこく電話をかけたりする
- 正当な理由なしに債務者の勤務先に電話をかけたりして取り立てる
- 債務者から「帰ってほしい」といわれているのに居座って退去しない
- 張り紙や立て看板などにより「借金返せ」などと周囲に知らせてプレッシャーをかける
- 債務者の親族など無関係な人へ督促する
- 債務者が弁護士や司法書士に債務整理を依頼したにもかかわらず本人に督促する
消費者金融やローン会社、銀行などから借り入れをしたときには、上記に違反する激しい取り立てを受けることは通常ありません。
ファクタリングには貸金業法が適用されない
一方、ファクタリングの場合、貸金業法が適用されません。
ファクタリングは「金銭消費貸借契約(貸金契約)」ではなく「債権譲渡契約」だからです。
ファクタリング会社は貸金業登録をする必要もありませんし、貸金業法による取り立て規制も受けません。基本的には「自由な方法で取り立て」を行っても良いことになっています。
たとえば以下のような取り立てを行っても必ずしも違法ではありません。
- 深夜や早朝に電話をかける
- 利用企業の事務所や営業所へ押しかけてきて取り立てる
- 社長の親族へ代わりに返済するよう請求する
以上のようにファクタリング会社は貸金業法の規制を受けないので、その取り立て方法は消費者金融やローン会社と違って厳しくなる可能性があるといえます。
一般的なファクタリングの取り立て方法
一般的なファクタリング会社ではどのような取り立て方法が行われるケースが多いのか、手順をみていきましょう。
STEP1 債務の支払状況について調査される
利用会社がファクタリング会社への支払いをしないとき、「第三債務者が支払わない」などと弁解するケースがよくあります。
その場合、ファクタリング会社は「本当に第三債務者が支払っていないのか」調査を行います。第三債務者に対し、ファクタリング会社から債権譲渡通知を送り(債権譲渡通知は先に利用会社から預かるのが一般的です)、第三債務者が本当に遅延状態に陥っているかどうか確認します。
もしも第三債務者が本当に支払っていないならそちらからファクタリング会社が直接取り立てますが、第三債務者が支払いをしていたらこの時点で利用企業の「嘘」が判明します。
また第三債務者へ通知が送られるので、ファクタリングを利用した事実を取引先である第三債務者へ知られてしまい、信用が低下します。
STEP2 任意に支払を求める
第三債務者がきちんと支払いをしたにもかかわらず利用会社が回収した債権の支払いをしない場合、利用会社は債務不履行に陥ります。当然、ファクタリング会社は利用会社へ任意で支払いをするよう求めます。
一般的には電話やメール、郵便などで支払いを督促するケースが多数ですが、事務所や営業所、工場などへ出向いて取り立てを行うこともあります。
内容証明郵便が使われるケースも多い
取り立てには「内容証明郵便」が使われるケースも多々あります。内容証明郵便には差し押さえを行う法的効力はありませんが、債権者側の強気な姿勢を示すことができますし、郵便局や差出人の手元に控えが残って後で「証拠」としても使えるからです。
ファクタリング会社の顧問弁護士から内容証明郵便が送られてくるケースもよくあります。
STEP3 支払督促や訴訟を起こす
任意の取り立て方法によっては支払いを受けられない場合、ファクタリング会社は利用会社に対し「支払督促」や「訴訟」を起こして取り立てを行うのが一般的です。訴訟前に「仮差押」が行われるケースもあります。
支払督促
支払督促とは、債務者が支払督促申立書を受け取ってから2週間「異議申し立て」をしなければ「差し押さえができる権利」が確定する手続きです。
ファクタリング会社が支払督促を申し立てると、簡易裁判所から利用会社へ支払督促申立書が届きます。受け取ってから2週間以内に異議申し立てをしないと、ファクタリング会社は利用会社の資産を差し押さえられる状態になります。
異議申し立てがあれば通常訴訟へと移行します。
訴訟
訴訟はいわゆる「裁判」です。ファクタリング会社が契約書などの証拠を示して訴訟を進めると、最終的に裁判所が利用会社へ「支払い命令」の判決を下します。そうなるとファクタリング会社はいつでも利用会社の資産を差し押さえられる状態になります。
仮差押
仮差押は、訴訟で判決が出る前に仮に債務者の財産を差し押さえる手続きです。訴訟を進めている間に債務者が財産隠しをしないように先に資産を凍結させる狙いがあります。
仮差押の対象となるのは、一般的に以下のような資産です。
- 預金
- 不動産
- 第三債務者への売掛金等の債権
- 保険
- 株式
- 車、動産類
たとえば預金を仮差押されると、入出金や振り込みなどの操作ができなくなり、日々の業務に差し支えるでしょう。不動産を仮差押されると、売買や抵当権の設定などができなくなります。
仮差押を解くためには、債務を支払うしかありません。預金を仮差押されて営業に支障が及ぶのであれば、ファクタリング会社へ支払いをして仮差押を取り下げてもらう必要があります。
STEP4 強制執行
支払督促や訴訟の判決が出ても利用会社が支払いをしなければ、ファクタリング会社は財産を強制執行します。強制執行は、いわゆる差し押さえや競売です。
たとえば預金を強制執行されると、口座内の銀行預金を取り立てられて残高が失われます。保険を強制執行されると、保険が解約されて解約返戻金がファクタリング会社へ支払われます。
不動産を強制執行されると、不動産が競売にかかって売却され、売却金がファクタリング会社へ支払われます。不動産は落札者の所有物になるため、利用会社は不動産を利用できなくなります。
強制執行が行われると、営業が困難となって「破産」リスクも現実化しやすくなるでしょう。ここまで来る前に、支払うべき金額はきちんと支払うべきといえます。
弁護士を活用された場合の注意点
ファクタリング会社が利用会社から取り立てを行うとき、自社で対応すると手間がかかりすぎるので「弁護士」に依頼されるケースもよくあります。
- 弁護士から弁護士名で内容証明郵便を送りプレッシャーをかける
- 弁護士に交渉や合意書作成、入金確認を依頼する
- 支払督促や訴訟、仮差押、強制執行などの裁判手続きを弁護士に依頼する
ただ弁護士を利用すると、当然高額な弁護士費用がかかります。そこでファクタリング会社は利用会社へ弁護士費用の実費を請求するケースが多数です。そうなると、ファクタリング会社へ支払うべき金額が、もともとの債務の額よりもかなり高額になってしまうリスクが発生します。
厳しい取り立てが行われる業者の事例
ファクタリング会社の中には「極めて厳しい取り立て」を行うものが存在します。
以下でどのような取り立てがあるのか、具体例をみてみましょう。
しつこく電話をかけてくる
ときには1日に100回以上、深夜早朝とわず電話をかけてくるファクタリング業者もあります。
営業所に押しかけてくる、騒がれる
営業所や工場、店舗などに押しかけてきて騒がれると仕事にならず、周辺住民に迷惑がられたり信用が低下したりするおそれがあります。
周辺に暴露される
周辺に聞こえるように大声で「金返せ」と騒いだり、立て看板を立てたりチラシをばらまいたりするファクタリング業者もあります。
脅迫、嫌がらせをされる
宅配ピザを注文される、救急車や消防車を呼ばれる、汚物を送りつけられる、家族を傷つけるとほのめかされるなどの嫌がらせや脅迫が行われるケースもあります。
商品を勝手に引き揚げる
債務を弁済しないため、代わりに勝手に商品在庫を引き揚げられるパターンです。
社長の親族に脅迫される、取り立てが行われる
社長や役員など、業務と無関係な親族へ脅迫行為が行われたり「代わりに支払え」などと脅されたりするケースもあります。
貸金業法が適用されなくても違法となる取り立て方法
貸金業法が適用されないからといって、どのような取り立て方法も許されるわけではありません。以下のような取り立て方法は貸金業法が適用されなくても違法です。
暴力や脅迫
暴力を振るうと暴行罪や傷害罪になりますし、脅迫すると脅迫罪、強要罪、恐喝罪が成立します。
名誉毀損
周辺に聞こえるように「金返せ、泥棒」と騒いだり立て看板やチラシを配って嫌がらせをしたりすると、名誉毀損罪が成立します。
建造物侵入、不退去罪
勝手に敷地内に侵入すると建造物侵入罪、権利者から「帰ってください」と言われているのにいつまでも居座ると「不退去罪」が成立します。
商品の引き揚げ
裁判などで権利が確定していないのに勝手に商品を引き揚げると「窃盗罪」になります。
ファクタリング会社から嫌がらせや暴力的、名誉毀損的な取り立てを受けたら泣き寝入りをせず、弁護士に相談してみてください。
安全なファクタリング会社の選び方
ファクタリングには貸金業法上の取り立て規制が及ばないので、具体的な対処方法は各ファクタリング会社に委ねられます。
ときには違法な取り立てを行う業者もありますし、違法とまではいかなくてもグレー、非常に厳しい取り立てをするファクタリング会社も存在します。
利用会社としては、ファクタリングの申し込み前に「万一のとき、どのような取り立て方法が行われるのか」を把握しておくべきといえるでしょう。
おすすめは「貸金業法に準じた取り立て方法を実施している会社」です。
確かにファクタリング会社には直接的に貸金業法は適用されません。しかし「自主的に貸金業法の取り立て規制に準じて業務を行っているファクタリング会社」が存在します。貸金業法の定める取り立てルールは「適正な方法」として法律が認めるもので、健全といえるからです。
ファクタリングに申込みをするときには、契約書や利用規約をみたり直接問い合わせをしたりして「貸金業法上の取り立て規制に従っているか」確認してみてください。
PAYTODAYは貸金業法の規制に準じているので安心
PAYTODAYは、ファクタリング会社でありながら「貸金業法」に準じた取り立て方法を実践しています。
その方が利用企業にとって安心で、適正な業務運営ができると考えているためです。
たとえ支払いが行われなくても深夜や早朝の取り立て、しつこい督促、嫌がらせや脅迫などの問題のある行動には及びません。
適正な方法で取り立てを行っている会社はコンプライアンス意識が高いといえ、手数料の設定等さまざまなポイントにおいても安心して利用できます。
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